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葛城 北斗

相場麻薬中毒患者

コラム

2015/11/17 15:06

空売り専門ニュースレターVS第2のソロス、ビル・アックマン

 投資日報10月29日号一面記事 市場の目 大和三山より 

 中小ヘッジファンドの運用者アンドリュー・レフト(シトロン・リサーチ)がウォール街で大きな脚光を集めている。彼の本業は空売り専門ニュースレターの発行者で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、バロンズ誌、フォーブス誌などにもしばしば登場し、ここ数年、NY市場に公開された中国株の空売りで数々のヒットを飛ばしてきた。

 最近、大手医薬品バリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)の空売りを推奨。「第2のエンロン事件の可能性あり」というレポートを出し、下落途次にあった株価に追い打ちをかけ、更なる暴落のきっかけを作った(エンロン事件とは、売上 13兆円の大企業が粉飾決算の発覚で01年12月に破綻した事件のこと)。いまや仕手合戦に発展したが、理由はアクティビストの寵児ビル・アックマンが第2位の大株主であり、これまではヘッジファンドの間では最も人気のある医薬品株であったからだ。

 ビル・アックマンは2兆円超のヘッジファンドの運用者で、第2のソロスと目され、ヘッジファンドの中でも最も注目される存在。アクティビスト運用の世界を切り開いてきた。バリアント・ファーマシューティカルズの株価の動きをみると、昨年 11月から今年7月までに2倍に急騰した後、最近は天井を打ち3段下げをした。そもそもの下落のきっかけはヘルスケア関連人気が天井を打った流れに乗ったもので、ニ段下げは同社の製品価格の設定に問題あると監督当局から召喚状が送られたことが理由であった。しばらく当局と会社間でやりとりがあったが、一時は株価も落ち着いていた。希少性医薬品分野では強力な地盤がある人気株ではあるが、価格設定に疑義があり業績には粉飾決算の可能性があるというのがシトロン・リサーチの空売り推奨の理由だ。この事を世紀の粉飾事件として歴史に残るエンロン事件に結びつけ株価を揺さぶり、成功した。

 ビル・アックマンは6.3%の大株主で、株価が急落した 21日には200万株の買い出動をした。 28%も急落した後で彼の買いが入り、当日の株価は 19%安の118.32㌦で終わった。しかしその後も売り方優勢の人気が続き、昨日は経営陣と幹部を総動員して投資家向けのカンファレンスを開催した。

 バリアント・ファーマシューティカルズはヘッジファンドの持ち株比率の高さナンバー1銘柄で、有名なジョン・ポールソン(ポールソン&カンパニー)も大株主である。彼は今年、ヘルスケアに特化したヘッジファンドをスタートしたばかりで、春には組み入れを急いだ銘柄のひとつである。ヘッジファンドの間では、ヘルスケア関連株でのアイドル的な存在であった。今後はビル・アックマンやヘッジファンドがどう動くかが、これからの人気株の動向を握る。仮にシトロン・リサーチが主張するような粉飾決算が事実なら、ヘルスケア業界の内情についての疑点が拡大し、関連株へのマイナス人気は尾を引くことになる。

 アクティビスト活動を逆手にとった動きであり、大手ヘッジファンドの天敵が出現した。勢力を伸ばすヘッジファンドたちが、今後はどのように動くかが大きな注目である。
  ※      ※

 11月16日現在、Valeant Pharmaceuticals International Inc株は73.32㌦。
 波動は15年6月高値263.8㌦から急落し、先週は72㌦台の安値。現在は下降ウエッジ形成で下げも底打ちが近い。目先のリバウンドは100〜108㌦台あってもおかしくないが……。
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